HOME フォレンジック コラム 証拠能力を担保するデジタル・フォレンジック調査の厳密なプロセス

フォレンジック コラム

横領や会計不正を暴くデジタル・フォレンジック:
証拠保全から法的対応までの完全ガイド

証拠能力を担保するデジタル・フォレンジック調査の厳密なプロセス

デジタル・フォレンジック調査において、証拠が裁判や懲戒処分の場で「客観的かつ信頼できる事実」として認められるためには、法的に裏付けられた厳密なプロセスを踏む必要があります。LaTechのフォレンジック調査では、主に以下の4つのフェーズに沿って、証拠能力を完璧に担保した調査を実行します。

フェーズ1:調査設計と対象の特定

調査は闇雲にデータを集めることから始まるわけではありません。まずは事実関係を究明するために、不正の手口、疑いのある人物、関連する部署、利用されている業務システム(PC、ファイルサーバー、メールサーバー、クラウドストレージ等)を特定し、調査範囲を明確に設計します。
さらに、デジタルデータの容量や保管方法、アクセス権限を確認した上で、企業の業務への影響を最小限に抑えつつ、確実なデータを収集するためのスケジュールと手法を協議し、調査のロードマップを策定します。

フェーズ2:法的に有効な証拠の収集・保全(イメージング)

このフェーズが、証拠の運命を決めると言っても過言ではありません。対象となるPCやサーバーからデータを収集する際、「ライトブロッカー(書込み防止装置)」という専用のハードウェアを使用し、調査対象の記憶媒体には一切のデータを書き込ませない(改ざんさせない)状態を物理的に作り出します。
その上で、「フォレンジックイメージ(ビットストリームコピー)」と呼ばれる、空き領域や削除されたデータを含むハードディスク全体の「完全なクローン(複製)」を作成します。
さらに、取得したデータに対して「ハッシュ値(MD5やSHA-256といったデータ特有のデジタル指紋)」を算出・記録します。調査の開始時と終了時でこのハッシュ値が完全に一致することを証明することで、「調査の過程でデータは1ビットたりとも改ざんされていない」という強力な法的証明(チェーン・オブ・カストディ:証拠の連鎖)が確立されます。

フェーズ3:データの復元・フィルタリングと深掘り解析

安全に保全されたクローンデータに対し、専用の解析プラットフォームを用いて深掘り調査を行います。
前述した削除データの復元(カスタムカービング)や、圧縮データの展開を行い、隠された情報を見える状態にします。しかし、数年分の業務データは膨大(数テラバイトに及ぶことも珍しくありません)であるため、そのままでは不正の証拠を見つけ出すことは不可能です。
ここで、疑わしいキーワード(例:「裏金」「キックバック」「相殺」「内密に」等)や、特定の期間、特定の送信元・宛先などの条件で収集データを高度にフィルタリング(絞り込み)します。その後、Windowsシステム分析やタイムライン作成、各種プログラムの実行履歴解析を総合的に掛け合わせ、不正のシナリオを裏付ける「クリティカルな証拠」を検出します。

フェーズ4:法的対応に直結する調査・分析報告書の作成

解析によって抽出された事実を、客観的かつ論理的にまとめた「報告書」を作成します。保全されたデジタルデータの収集元、種類、サイズから、復元・解析に用いた専門的な手続き、そして発見された不正の痕跡(誰が、いつ、どこで、何をしたか)を詳細に記載します。
この報告書は、社内の懲戒委員会の判断材料となるだけでなく、警察への被害届提出や刑事告訴、民事での損害賠償請求訴訟において、裁判官や捜査機関に提出する「鑑定書」に等しい決定的な証拠書類として機能します。
■ 本コラムに関連するサービスのご案内
不正調査や法的紛争に際し、電子データの保全・復元から分析報告まで、専門家連携で一貫した支援を提供するLaTechのコアサービスは こちら をご覧ください。
デジタル・フォレンジック・サービス LaTech トップページ